小笠原沖を震源とする三十日夜の地震で、首都圏の高層ビルの上層階などで大きな揺れが長く続いた。ただ、気象庁が地震波を解析すると、そうした揺れをもたらす「長周期地震動」は特に顕著ではなかった。地盤の影響や建物の特性など、複数の要因が絡んでいるとみられる。 (宇佐見昭彦、中山岳) 高層マンションが立ち並ぶ東京都港区台場。三十三階建てマンションの最上階に住む公務員榎本尚子(ひさこ)さん(43)は地震から一夜明け、「部屋全体が、ギシギシと音をたてて、振り子のような横揺れが続いた。とても長く感じた。子ども二人と手をつないで、テーブルの下に隠れた」と振り返った。 長周期地震動は、遠くで起きた大地震の際に目立つ周期数秒から十数秒のゆったりした揺れだ。一口に地震の揺れといっても、細かく分析すると周期の短い揺れから周期の長い揺れまで、さまざまな揺れの成分が合わさっている。短周期の揺れは遠くへ伝わる途中で減衰す