再建は進み、最先端の社会インフラの整備もなされ、かくて新帝の下、日本は新たなる社会への一歩を踏み出したのである――その影に、止まぬ暗闘を抱えながら。 元祐親政という体制の一応の確立を経て、日本は新時代へ歩み出す。新たな帝都、新たな皇室はそれを象徴し、可視化した。 63年、埼玉・神奈川や千葉の一部を含んだ東京圏は新都「東京新星市(ネオトーキョー)」として再編され、再建の途につく。こうして新都は神々の加護厚き、だが同時に最新の電子インフラを備えた都市として復興――復旧ではなく――されることとなる。翌年3月に開催されたワイアレス・マトリックス構想会議(WMIC)で、トランシス・ニューロネット社(現ネオネット社)によって東京新星市・関西市・仙台市・札幌市を中心とする大規模・広域なワイアレス・マトリックス普及計画が明らかにされ、ネオトーキョーは都市の新世代化を先駆けることとなったのだ(間もなく起こる