ドーン!と池ごしに臨む「金閣舎利殿」 三階建ての楼閣だがそれぞれの階で建築様式が異なる。 初層の「法水院(ほっすいいん)」は寝殿造り風 二層の「潮音洞(ちょうおんどう)」は書院造り 三層の「究竟頂(くっきょうちょう)」は禅宗様式となる。 初層に金箔が貼られていないのは「寝殿造り」といって平安時代の高級貴族の住居建築風の様式で建てられているため、外壁は塗籠(ぬりごめ)となり、柱と漆喰(しっくい)のモノトーンとなる。 予算が無かったわけではない。 二代将軍である父・足利義詮の死後、わずか11歳で将軍職に就いた義満は長年にわたる戦乱ですっかり荒れ果てた農地や疲弊した民衆を憂い、日本国を豊かにするため、「明」との国交を正式に復活させようと立ち上がった。 しかし大国である明からすれば日本の将軍などは国の代表と認められず二度にわたって遣わした使者も門前払いされてしまう。 それに負けじと義満は南北朝の統