―― 本は以前からよく読んでいたんですか。 綿矢 : はい。小学生のころから、親も本をよく買ってくれたし、あとは親戚にもらったりもしていました。 ―― その頃はどんな本を? 綿矢 : カニグズバーグの「クローディアの秘密」や「魔女ジェニファと私」とか。あとは「クマのプーさん」、「モモちゃんとあかねちゃん」、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」などの定番どころは何度も読みましたね。 ―― 本は繰り返し読むほうですか? 綿矢 : はい、すごく。今日持ってきた「風と共に去りぬ」は、中学時代に全5巻を一気に読んで、その後も5〜6回は読んだと思います。 ―― 読み返すにつれて、読後感が変わったりしませんか。 綿矢 : そうですね。「風と共に去りぬ」はスカーレットの本筋の話ももちろんおもしろいけど、サイドストーリーというか、主人公以外の人生もそれぞれに戦争によってくるっていく。その人生がそれぞれに