今、読んでいる書体を知っていますか? 今、読んでいるのが別の書体だと、意味が違ってみえます(オオゲサ)。 ヒラギノ体を作り上げた「フォントの神」が書体の愛し方、教えます。 こんにちは、神です。今日のチラシをみたら「フォントの神」なんて勝手に書いてありましたが、断るまでもないけど、僕が神になりたいとか言っているわけではないですからね。どこかで誰かがそう呼び始めて……もう、いいや、神です(会場笑)。 今日はまず、明朝体の話からしようと思います。特徴は、細い横線、太い縦線、そして横線の右側についてる三角のうろこです(図1)。このポピュラーな書体がいつ頃からどのように日本で使われるようになったかをお話ししましょう(ちなみに、この雑誌「波」の本文も明朝体で組まれています)。 「仮名」という発明 日本にはもともと文字がなかった、というのが定説です。教科書にも載ってる「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう