本書は、不登校や引きこもり、対人恐怖に対する「育てるアプローチ」や、身体醜形障害などの思春期病理に造詣が深く、臨床現場で独自の統合的アプローチを模索してこられた精神科医・鍋田恭孝氏によって書かれた、昨今メンタルヘルスの問題として対策が叫ばれる「うつ病」に関して、“新型うつ病”などの登場により概念自体が混乱している現状に対して、「うつ病」の病理学的な知識をベースに、著者の臨床実践の集大成である体系的な心理療法のアプローチ―3ステップ・アプローチについて論じ、治療の本来的なあり方を示した解説書です。 内容は以下の通りです。 第一部 病理編 「うつ病の本質を考える」──うつ病を正しく理解するために 第1章 「うつ病」の本質そのものが曖昧な状態にある──うつ・うつ病をどのように考えればよいのか 1 うつ病にもいろいろなタイプがある 2 うつ病にはどのような症状がみられるのか──きわめて多彩な症状が