最大酸素摂取量の減少で脳の酸素も減少 脳の働きが低下するいちばんの原因は、加齢とともに脳に酸素を取り入れる能力が衰えることにあります。その能力は、最大酸素摂取量で表すことができます。酸素は肺を通して体に取り入れられるため、最大酸素量を決めるのは胸郭の大きさです。 胸郭の大きさは一般的には20歳ごろに最大になります。運動習慣がない人の場合は、それ以上胸郭は大きくならないため、最大酸素摂取量も20歳ぐらいがピークで、あとは下降の一途をたどります。 持続的に有酸素運動と無酸素運動を行なっている人の場合は、成長期を過ぎても身体が大きくなるので最大酸素摂取量を高めることができますが、その場合も、35歳ごろがピークで、その後は少しずつ下がっていきます(図1)。 一旦衰え始めた最大酸素摂取量は、その後運動をすると少し高くなりますが、最大値まで戻すことはできません。そのため、運動習慣がない人は20歳ごろか