ギャグ漫画の世界は厳しい。特に4コマの世界は厳しい。「ストーリー漫画に比べて低俗」「4コマなんて誰でも描ける」といった差別を受け、またページ数の少なさから収入も少なく、編集担当にはたくさんのネタを容赦なくボツにされ、世間に蔑視されながらも必死にネタ繰りとの戦いを続ける。しかし「笑いとはなんぞや? ギャグとはなんぞや?」とかそんなコトを追求するウチ、その精神は彼岸の世界に旅立つ。ギャグが笑えないほどシュールな次元のものになったり、ネタが尽きて描けなくなったり、さらには理解不能なエキセントリックな展開を見せ、読者をハラハラさせたまま連載終了……そんなパターンは、おそらくこの先も漫画界において不死鳥のごとく輪廻していくのだろう。 さて、新井理恵の話をしよう。彼女はそんな厳しい世界でなんと9年に及び4コマギャグ漫画を書き続け、単行本「×-ペケ-」は7冊も出版された(少女漫画誌における4コマ漫画は単