松下電器産業とキヤノン,日立製作所が,薄型パネル事業で包括提携するとの報道があった(Tech-On!関連記事)。現時点で,3社は「決定した事実はない」とコメントしているが,3社が現在置かれた状況を考えると,ある程度の方向性は間違っていない可能性が高いと筆者は考える。この提携話から見えてくるのは,「執念を燃やす松下とキヤノンが日立に群がる」という構図である。 三者三様の思惑を順に見ていく。 「テレビ・メーカー」として生きる道を選択する松下 まず,松下電器産業である。今回の話を主導しているのは同社だ,と言い切れるほど,最も強い執念を感じ取れる。根底にあるのは「テレビでナンバーワンになれないメーカーは,家電メーカーとして生き残れない」(同社 代表取締役社長の大坪文雄氏)という強い意思である。 その意思を持つ松下電器産業が今,何らかの決断を迫られる時期にきていることは明らかだろう。同社のテレビ戦略