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  • 十人の批評家 日本篇:批評:ほら貝

    十人の批評家 日篇 加藤弘一 石川淳 吉田健一 丸谷才一 大岡信 安東次男 小林秀雄 江藤淳 吉隆明 柄谷行人 蓮實重彥 石川淳 まず、『森鷗外』(岩波文庫)をあげたい。この評論は、それまで無用の人物を無用に考証した退屈なと片づけられていた晩年の史伝と、傍系的な仕事と見られていた翻訳に高い評価をあたえ、その後の鷗外研究の方向を定めたとされている。 その通りには違いないが、鷗外像を書き換えた点にも注目すべきだ。鷗外はドイツに留学し、陸軍軍医総監にまでのぼりつめた明治政府の顕官であり、最新のヨーロッパの文学を紹介した啓蒙家でありというように、新時代を牽引するハイカラな文学者と見なされていた。しかし、石川は儒学と読という二つの切り口から旧時代の洗練を極めた学芸の継承者だと喝破し、江戸文化の残照の中に立つ鷗外という新しい鷗外像を打ちだした。 もちろん、そのように鷗外が見えたのは、石川自身が

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