長時間の厳しい練習で教師や生徒を追い詰める「ブラック部活」。なぜ、教育現場であるはずの学校で“ブラック”な状況が発生するのか。体育学者で早稲田大学准教授の中澤篤史氏に聞いた。(清談社 松原麻依) ● 教師も生徒も追いつめられる! 誰も幸せでない“ブラック部活”の現状 「ブラック部活」という言葉が使われるようになって久しい。この言葉は、無理やり長時間のハードな練習に参加せざるを得ない生徒の立場を指すこともあれば、顧問として部活指導にあたる教師の労働環境を指す場合もある。 「“自主的な課外活動”であるはずの部活なのに、教師も生徒も無理して部活をしている状況になっている」と、話すのは、体育学者で『そろそろ、部活のこれからを話しませんか 未来のための部活講義』(大月書店)の著者である中澤篤史氏だ。 各種調査によると、中学生の9割、高校生の7割が参加しているという部活。しかし、すべての生徒が自主的に