概要順天堂大学大学院医学研究科の宮本健太郎(老人性疾患病態・治療研究センター研究員)、長田貴宏(生理学第一講座助教)、宮下保司(老人性疾患病態・治療研究センター特任教授)らによる順天堂大学・東京大学の共同研究グループは、前頭極*1と呼ばれる最も進化的に新しい大脳皮質前頭葉領域が、自分自身の“無知”に対する自己評価を司ることを、世界で初めて発見しました。前頭極の働きを実験的に不活性化すると、過去に経験していない事象に対する確信度──“無知”の確からしさに関する自己評価──の判断に障害が起こることから、前頭極は“無知”の自己意識を生み出す働きを担うことが示唆されました。この成果は、自身の思考プロセスに対して思考を加えるメタ認知*2処理を行う際に働く大脳メカニズムを解明し、脳機能の科学的根拠に基づいた効果的な教育法や、認知機能障害のリハビリテーション法の開発に貢献すると期待されます。本研究成果は