私の疑問 「不確定性原理」という言葉を聞いたことがあると思う.解説はそこら中にあふれている.要はミクロな領域では粒子の位置と運動量は正確には決められず, という「不確定性関係」が成り立つ,というものだ.一方の測定誤差を極めて小さくすれば他方の誤差が極めて増すことになり,結局誤差の積を一定以下には下げることが出来ない.そこにプランク定数が関係している.・・・という内容である.これがさっぱり分からない. いや,理屈が分からないのではない.私の疑問は普通とはちょっと違って,おおよそ次のようなものだ. 偉そうな疑問だ.まぁ一緒に疑ってみようじゃないか.そして不確定性原理が「要る」のか「要らない」のかはっきりさせてやろう.めちゃめちゃ態度でかい気がするが. 本当に原理か? 「原理」というだけあって,この概念を基にして量子力学の体系が作られているのだろうかと考えてみたが,これだけでは当然無理だ.波長と
今回の記事を書いた動機 たまに次のような解説を目にすることがある.「ブラックホールの内部に引き込まれた全ての物質は素粒子レベルにまで分解され,やがては大きさ 0,密度無限大になるまで潰れてしまう」と.はて,この話の根拠は何だろうか? 前回の解説で,ブラックホールの内部ではあらゆるものが中心点へと引き込まれてしまうという驚きの結果を導いたのだった.しかしこれは物体が大きさ 0 にまで潰れてしまうということの根拠としては弱い. 前回の話で調べたのは「シュバルツシルトの外部解」の振る舞いであった.この解は物質が無いところにだけ適用できるという条件付きのものであるが,中心点近くまで何もないかのように考えて無理やり全空間に当てはめたのである. もしブラックホール内に地面と呼べるようなものがあれば話は変わってくる.地面より内側には「内部解」と呼ばれる別のタイプの解が適用されるべきだろう.まぁ,たとえそ
(報道発表資料) 2016年4月11日 量子ドットとメカニカル振動子のハイブリッド素子の作製に成功 ~ 量子限界に至る極限計測技術をめざして ~ 日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫、以下NTT)は、高感度センサや高精度発振器に広く用いられているメカニカル振動子と量子ドットを結合した新しい半導体素子を作製し、量子効果を用いた超高感度の計測手法を実証しました。 今回得られた成果は、力や磁気などの極限計測技術を量子限界にまで向上させる新しい手法として、英国科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」電子版(英国時間 4月11日付)に掲載される予定です。 なお、本研究の一部は独立行政法人日本学術振興会(東京都千代田区、理事長:安西祐一郎)科学研究費補助金 新学術領域研究『ハイブリッド量子科学』 (領域代表:東北大学大学院理学研究科教授 平山祥郎)の一環として行われま
このほど、2つのブラックホールが合体する際に発生した重力波が検出された。図はブラックホールの合体のシミュレーション画像。ブラックホールがお互いを飲み込む直前には、それ以外の宇宙全体よりも大きなエネルギーを放出する。(ILLUSTRATION BY SXS COLLABORATION) 100年におよぶ壮大な探し物に、ついに決着がついた。科学者たちはレーザーと鏡を使って、時空のさざ波「重力波」を直接観測することに成功した。 この重力波は、地球から約13億光年の彼方で、2つのブラックホールが互いに渦を巻くように回転して衝突したときに発生した。ブラックホールの1つは太陽の36倍の質量を持ち、もう1つは29倍の質量を持っていた。(参考記事:「21年後に巨大ブラックホールが衝突へ」) 重力波は池に生じたさざ波のように宇宙を広がり、2015年9月14日、地球上に設置された4組の鏡の距離に、ごくわずかだ
別の解釈がある ここまでのところ,時間経過に合わせて波動関数,あるいは状態ベクトルが変化するというイメージでずっと説明してきた.このようなイメージはシュレーディンガー描像と呼ばれることがある. ところがその考え方だけが真実だとは限らない.数学的には全く同等でありながらこれまでとはかなり異なったイメージで考えることも可能なのである.それはなんと,状態の方は全く変化せず,代わりに演算子の側が変化するというイメージである.このイメージはハイゼンベルク描像と呼ばれることがある. これを紹介する目的は,単に視野を広げるというだけではない.この後で場の量子論へと移行するときにはこのイメージを採用した方が便利なことがあり,そのために必要な準備でもある.(と思うんだけど・・・.教科書を読んでいると良く出てくるんだ.知らないがために不安になる要素はなるべく早めにつぶしておいた方がいい.) 今までのやり方に馴
東北大学(東北大)は2月1日、質量ゼロの「ディラック電子」の流れを制御できる新しい磁石を発見したと発表した。 同成果は、大阪大学大学院理学研究科 酒井英明 准教授(研究開始時:東京大学大学院 工学系研究科 助教)、東京大学大学院 工学系研究科 石渡晋太郎 准教授、修士課程2年 増田英俊 氏、東京大学 物性研究所 徳永将史 准教授、東京大学大学院 工学系研究科 山崎裕一 特任講師、東北大学 金属材料研究所 塚﨑敦教授らの研究グループによるもので、1月29日付けの米科学誌「Science Advances」オンライン版に掲載された。 通常の金属や半導体中の電子の運動は、質量を持った粒子として振る舞うことが知られているが、近年、黒鉛の単原子層であるグラフェンでは、質量のない粒子として電子が伝導することが明らかとなっている。このような固体中のディラック電子は、極めて高い移動度を有するため、エレクト
海洋研究開発機構(JAMSTEC)と東京大学(東大)は2月1日、日本南岸を流れる黒潮やその東に続く黒潮続流といった中緯度域の強い海流の年々変動に「風の変動と無関係に生じる部分」があり、まったく同じ風の変動のもとで異なる海の循環が生じうることを発見した。これは、大気循環と同様、海洋循環にもいくつもの「並行世界(パラレルワールド)」が存在することを意味しているという。 同成果は、JAMSTEC アプリケーションラボ 野中正見グループリーダー代理、東京大学 先端科学技術研究センター 中村尚 教授らの研究グループによるもので、2月1日付けの英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。 今回、同研究グループは、初期値などにわずかなばらつきを与えて複数の数値実験を行う「アンサンブル実験」という手法を用いて、年々変動する「全く同一の」風を与えながら、風以外の条件をわずかに変え、海洋の循
ストークスの定理とは ストークスの定理はベクトルが定義されている空間内での 線積分を面積分に変換する便利な公式である。 考え方はガウスの定理に似ているが、 完全に納得するためにはガウスの定理より少々の根気が必要かもしれない。 しかし一度イメージが出来てしまえばとても理解しやすい公式である。 ストークスの定理は次のような式として表される。 これはベクトルの回転を表す量なので「rotation」を略して と書く。 教科書によっては と表記しているものもある。 この面倒な組み合わせがなぜベクトルの回転を表すのかという説明は最後にすることにしよう。 式の意味 上に書いたストークスの定理の左辺は線積分になっている。 線積分をするためにはコースを決めなくてはならない。 この定理の場合どんなコースを選んでもいいのだが、 ただ一つの条件として空間内をぐるっと一周した後で元の位置に戻ってきて輪を作るような
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