雨降る、10月7日の横浜スタジアム。 横浜DeNAベイスターズの日本一への道が途絶え、チームを明るく照らしつづけてきた“巨星”が消えた夜、柴田竜拓は人目もはばからずグラウンドで涙を流した――。 あれから2週間後、柴田はファーム施設「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」で秋季練習に取り組んでいた。汗をかき真摯な表情で野球に向き合う姿は、いつ何時も変わらない。守備の要としてスタメン、代打と奔走した4年目の今シーズン、柴田にとってどんな1年間だったかを尋ねてみた。 「いいことも悪いこともありましたが、今シーズンは自分で“新たな決断”をしたんです。ここに関しては来年につながると思います」 新たな決断、と柴田は強調した。 夏場以降に成績が急上昇した理由。 今季の柴田は111試合に出場し打率.256をマークし、昨シーズンの打率.219とくらべ成長のあとを窺わせた。 特筆すべきは、新たな