ドラフトの季節がやってきた。マリーンズの佐藤都志也捕手にとって色々な思い出が浮かび上がる時期でもある。 あれは聖光学院高3年の秋。佐藤都は学校が用意した校内の一室にいた。野球部のグラウンドで練習した後、ドラフト会議が始まったタイミングでその部屋に向かった。 「グラウンドで練習をしていて、そのあと、制服に着替えて歩いていった。県内唯一の指名候補だったので、結構、地元のメディアがいた」 カメラが見守る中で… 部屋に着くと大勢の地元マスコミが待ち構えていた。テレビカメラも準備されていた。地元テレビ局では異例の生中継も用意されていると聞かされた。両親、そしてチームメートも会場に駆けつける。全員で喜びを分かち合う用意が整っていた。甲子園の常連校の4番打者として、ドラフト指名候補として、福島県内の注目を一身に集めていた。 「正直、あの時の自分も下位だろうけれど指名されるかなあ、と思っていた甘い部分はあ