「藤井四段」だったはずが、あっという間に「藤井六段」である。そして「藤井七段」、「藤井棋聖」に――。 2018年2月17日の朝日杯将棋オープン戦、藤井聡太五段は準決勝で羽生善治二冠、決勝で広瀬章人八段に勝利した。 中学生棋士初の棋戦優勝、それによる六段昇格で、「藤井五段」と呼ばれた期間はわずか17日だった。今後、藤井五段と書く機会はそうそうないだろう。 また準々決勝では、佐藤天彦名人にも勝っている。あの29連勝に始まり、名人・永世七冠を立て続けに破る15歳は、どう考えてもマンガ、いやマンガでも“毎回最終回かよ”レベルだ。 AbemaTVの検討ルームでは、「羽生さん、倒しに来ているな」という声が挙がるほど、羽生二冠も全力でぶつかっていた。にもかかわらず藤井五段は終盤で押しきった。画面越しからも、プレッシャーとは無縁、といった風格すら感じた。 対局相手としての羽生さん、藤井くん。 風格、その言