藤井のほとんどの対局は、棋譜中継、ライブストリーミング中継されている。その中で将棋ソフトが示す形勢のグラフが、少しずつ藤井側に振れる様子が「藤井曲線」と呼ばれている。将棋は「逆転のゲーム」とされる。だが、藤井は逆転負けが少なく、優位に立つと逆転を許さず勝ち切ってしまう。こうした中終盤力の高さを「藤井曲線」は表しているのだ。相掛かりは研究の範囲で終盤に進みにくいため、藤井の持ち味を出しやすいと考えられる。 そもそも四段昇段の平均年齢が約22歳なのに… 21年4月時点の将棋界は、渡辺明名人(棋王・王将)、豊島将之竜王(叡王)、藤井王位・棋聖、永瀬拓矢王座の4人がタイトルを保持して「4強」と呼ばれていた。藤井は2つのタイトルを防衛した上、叡王、竜王、王将を順に獲得して、19歳6カ月で史上最年少の五冠王になった。藤井は5つのタイトル戦を18勝3敗(勝率0.857)と圧倒。ストレート勝ちも3回してお