デフレがインフレの反対物であるならデフレをやめることは簡単である。貨幣量を増やしてインフレにすればいいだけのことだ。増やし続ければいつかは必ずインフレになる。これはバーナンキの背理法から常に成立する定理である。デフレが望ましくないと本気で思っているなら(マイルド)インフレを実現するためのそうした政策を採ることを容認しないとおかしいが、そう言うとインフレの弊害を強調する人がいる。ではデフレには弊害はないのか。もし「いやいやデフレはやはり問題ですよ」と言うのなら、インフレをコントロールする努力をしながらデフレから脱却する道筋を示す(=インフレ目標を導入する)のが筋だろう。すると、いや、それは不可能(というより失敗したらこわいから)だからやめといた方がいいという。バブルやハイパーインフレが起こったら取り返しが付かないのでそれは「嫌だ」ということだ。こんな人たちのホンネは結局デフレ容認なんじゃない