(英エコノミスト誌 2013年6月22日号) ブラジルで物価高や汚職、貧弱な公共サービスに対する怒りが沸騰し、この20年で最大規模のデモに発展している。 6月20日、ブラジル・レシフェで行われた抗議デモ〔AFPBB News〕 バス料金の20センターボ(約9セント)の値上げを巡り、6月6日にサンパウロで始まった抗議行動は、瞬く間にブラジルでは1992年以来の規模となる全国的な街頭デモに発展した。 約20年前、一般市民は通りに繰り出し、汚職容疑をかけられていた当時の大統領の弾劾を要求した。この時と比べると、今回のデモは要求が明確ではない。 最初の抗議デモの主催者はバスの一律無料化を要求したが、この趣旨に賛同しないサンパウロ市民からは不興を買った(同市のフェルナンド・ハダッド市長は、この施策の実現には年60億レアルかかると指摘している)。 サンパウロでは、バスによる通勤通学はまるで地獄で、抗議