インフレで私たちの収入は本当に増えるのか? 佐々木融 JPモルガンの人気FXアナリストの2冊目の本である。彼の最初の本、『弱い日本の強い円』は、東日本大震災や、リーマン・ショックなど、本来、日本経済にネガティブなことが起こると、なぜ円高になるのか、そのメカニズムを一般読者にもわかりやすく説明したなかなかの名著であった。いまでは、リスクオン、リスクオフ、などの便利な言葉とともに、世界経済が不調になると、日本から外にリターンを求めて出て行ったお金が、日本に帰ってくるから円高になる、というようによく説明されるが、こうした考え方が、金融の外の人にも一般的になったのは、彼のこの本がベストセラーになった影響が大きいのでは、と思う。他にも、為替相場の見方についての基本がわかりやすく書かれており、よく売れたのも頷ける。 彼は、投資銀行のFXアナリストとしては人気者で、本も売れたのだが、アベノミクスによる、
![量的緩和を理解するためのすばらしい一般書:インフレで私たちの収入は本当に増えるのか? 佐々木融 : 金融日記](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/da78a05937633f7a2b4b2219826151c370cd607b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fparts.blog.livedoor.jp%2Fimg%2Fusr%2Fcmn%2Fogp_image%2Flivedoor.png)