僕の通う大学のキャンパス内にはこじんまりした購買があって、僕は時々そこへ、昼飯やらノートやらを買いにいく。軽く店内を一周して目当てのものを手に取った後レジに向かうだけど、そのカウンターの端にはいつも、さりげない自己主張を奏でるお菓子たちが並んでいる。『つぶグミ』はそのお菓子の中のひとつだ。派手にならない程度のささやかな暖色で飾った包装が目に入ると、僕は「まぁついでに」という調子でつい一緒に買ってしまう。それも十回に一度、せめて五回に一回とかならまだいいが、毎回のように買ってしまう。そうしていつも買ってしまってからため息ついて、やれやれまた買っちゃったな、と心うちでひとりごつ。レジに並ぶ直前まで「今日は買うまい」と決めていても、それを見た途端しゅるると風船みたいに決意が萎み、しまいにはなんだか変な購買意欲に駆られてしまって、結局、数百円だか余計なお金を払う羽目になるのだ。そんな僕の気を知って