本来、草である種が、隔離された海洋島などで木本化するということがあることは以前にふれました(島で木になる植物)。 小笠原諸島の固有種ワダンノキ(キク科) なぜ木本化するのか? いくつかの仮説が提唱されています。 1. Competition Hypothesis(競争仮説:Darwin 1859) 島にたどりついた祖先種(草本)がより高く成長して灌木や高木になることで競争的に有利になる場合。ダーウィンが「種の起原」の中で述べている仮説だそうです。島という競争者が少ない特異な環境だからこそ、草がより高い位置で光を得る必要があり木になる方が競争に勝つことができるというもの。 2. Longevity Hypothesis(長寿仮説:Wallace 1878) 草が木本化することでより長い生育期間を獲得し、これが送粉者が少ない島環境では有性生殖の機会を増やすことになるというもの。ウォーレスの「T