僕は積算の仕事をしています。 新国立競技場に関して、いま建築業界は騒然としています。当初の値段よりお金が釣り上がることは良くあることです。今までそういう時は、工期を分けたり、掛け率を下げ見かけ上の値段は安く見えるようにしたりして、なんとかまかなってきました。まことに心苦しくはありますが、それが現実です。 これからもう一度コンペを行い…という手順は、我々専門家でも”間に合うのか?”と動揺を隠しきれません。 しかし、これは積算をあまりに軽く考えている日本の建築業界が招いた結果ではないか、と厳しいようですが思います。コンペを行う前の初期段階で、建築概要(屋根の有無や、椅子の数など)とそれに基づく適正な予算を積算士によって決定していれば、こんなことにはならなかったのでは、と思います。 安藤氏の”なぜ2520億か、わたしも知りたい”という発言には、怒りしか覚えませんでした。”建築家は、お金に一切関与