『マルクスは生きている』を書いた不破哲三氏(日本共産党付属社会科学研究所所長)に聞く(1) - 09/06/19 | 08:00 「マルクスと現代」の視点から、マルクスの全体像をとらえようとする新書が好評だ。「マルクス研究」60年余の著者にその理解のエッセンスを聞いた。 ――「マルクスを、マルクス自身の歴史の中で読む」をモットーにしているようですね。 マルクスは、その哲学を研究する人はその哲学ばかり、経済学の人は『資本論』ばかりを読む。そうではなくて、マルクスはその全体像と思索の歴史から理解せよといいたい。 マルクスは、哲学も自分が生きている社会をどう変えるかを念頭に置いて思索を重ねる。その中で経済が大事だとして経済学に進む。それも経済学の学徒になって大学で教えるためではなく、経済学を使って世の中を変えることこそ合理的な方向だとつかみとる。そういう生き方だから、ものの見方、社会のつか