今年のノーベル化学賞に決まった「クロスカップリング反応」を、希少金属(レアメタル)のパラジウムではなく、国内でたくさんとれるヨウ素をつかって実現する技術を北泰行・立命館大教授(有機合成化学)らが開発した。テレビや携帯電話の液晶などの新素材として2011年度中の実用化を目指すという。 パラジウムを触媒に炭素同士をうまくつなげる画期的な合成法を開発した業績で、根岸英一・米パデュー大特別教授、鈴木章・北海道大名誉教授ら3人のノーベル化学賞受賞が決まったが、希少金属のパラジウムは入手に制約がある。日本の生産量が世界で2番目に多いヨウ素を使えば、製造コストの大幅な削減が見込まれるという。 さらに、パラジウムを触媒とするカップリングでは、100度以上の高温でも生産物を22%の効率でしか得られないのに対し、ヨウ素なら100度以下でも88%になるという。北教授は「今はパラジウムなどレアメタルの触媒を使