「新たな原料調達ルートを必死に探している。それでも年度内の生産再開は厳しい状況だ」 7月1日、帝人の子会社である帝人ファイバーの新鋭工場(山口県周南市)が操業停止に追い込まれた。使用済みのペットボトルを化学処理して、再びペットボトルを作るための樹脂にする世界初のリサイクル技術を導入。100億円を投じて、2年前に稼働させたばかりだ。 業者乱立で落札価格が急落 自治体が回収するペットボトルを再生する帝人のようなリサイクル事業者には、再生品の売却益が入るが、原価はバージン原料から作るよりも割高になる。容器包装リサイクル法(容リ法)では、リサイクルを促進するため、再生処理の対価として、ペットボトルやペットボトル入り飲料のメーカー、小売店などが拠出する負担金を原資に、事業者に再商品化委託費を支払う。 ただし、どの事業者も均等に、原料が調達できるというわけではない。容リ法に基づき、経済産業省などが主管