鳩山由紀夫首相が初めて沖縄県を訪れた五月四日、米軍普天間飛行場に隣接する普天間第二小学校で開かれた住民との対話集会で、新聞やテレビから存在をほぼ無視された女子高校生がいた。 その女子高校生は普天間高校の二年生。今どきの女子高校生らしい話し方でマイクを握った。「えーっとぉ、米軍基地の移設・撤退、あるいは大幅な縮小を図ったときぃ、軍雇用者の再就職の事情はどのようになっていますでしょうかぁ?」。 沖縄県の米軍雇用者は九千人近く。米軍は沖縄県庁に次ぐ県内第二位の雇用主だ。軍用地主に支払われる借地料は約六百億円に上る。沖縄米軍が移転することによる不利益を懸念する声を上げたのは、この女子高校生だけだった。 ただし、現場にいた全国紙政治部記者は「覚えているものを読んでいるようで、不自然だった。誰かに言わされているようにも感じた」と振り返る。 ことの真相は不明だが、多くのメディアはこの女子高校生のこ