こんにちはムラシット君、会わなくなってずいぶん経つけれど、元気でやっているだろうか。 ぼくはあまり元気じゃない。こんなものをきみに送りつけてしまったのもそのせいで、きみにとってはまったく迷惑な話だろう。この手紙は読んでもあまり心地良いものではないから、このまま読まずに破り捨ててくれてもいい。まさか返事をくれなどと言うつもりはない。この文章がぼくの手から離れ、こうして君に届くということだけでぼくの望みは十分に果たされる。 ぼくにとっては、これを「書く」ということこそが重要だった。そう思って書きはじめたのはずなのだけれど、人間というのは面倒な生きものらしく、結局のところ、それを誰かと共有したいという望みさえ出てきてしまう。だからぼくは、以下の文章にこの前置きを加えて、君に送ることにした。非常識な話と嗤ってくれ。済まないと思っているんだ。 それでも読んでくれるというのなら (拙い文章で済まないけ