カレーライスの呪いが解けない。家族にも秘密にしていたが、カレーライスを1秒見るだけで、美味しいか美味しくないかがわかってしまう、そんな呪いが僕にはかけられている。おかげで僕はカレーライスが出てきただけで、ガッカリすることがある。食べ物とは、経験からある程度の予想はつくけれども、実際に口に入れて食べてみて初めて味がわかるものであり、それが食べるという行為の楽しみである。確かに、見た目だけで美味いか不味いかわかる、というのは、不味いものを回避できるというメリットもあるけれども、食べるまで味がわからない、「見た目はアレだけど食べたらオイシー!」という楽しみが失われるデメリットの方が大きいのだ。インジェラやコシャリのように、数年に一度食べる機会があるかどうかの食べ物ならまだいい。だが、国民食ともいわれるカレーライスについてその楽しみが失われているのだから悲劇というほかない。僕だけがこのような理不尽