自分だけの知識や経験に頼ることは、非効率的なだけでなく、ときには重大な危険をもたらすこともある。 文=ロバート・B・チャルディーニ 翻訳・ディプロマット 能力の高い個人は、往々にして他者に助言や協力を求めない。しかし、自分だけの知識や経験に頼ることは、非効率的なだけでなく、ときには重大な危険をもたらすこともある。 賢明な組織はグループ協議を重視する。グループが協力するとき、その平均的な構成員のみならず、最も優れた構成員より高い問題解決能力を発揮することが、イリノイ大学の心理学博士、パトリック・ローリンらによる調査で明らかになっている。 リーダーは、グループで最も問題解決能力が高いとみなされているため、チームのメンバーに協力を求めないことが多い。また、メンバーは、問題解決の責任をリーダーだけに任せて、決定を進めるために重要な情報をリーダーに提供しないことが多い。 その結果もたらされるのは、