ボクシングの試合では青コーナーよりも赤コーナーのほうが勝率は高い。一般に、赤コーナーにはタイトル保持者や経験の長い者が立つからである。さらに言えば、後からリングに上がる赤コーナーの選手のほうが、入場の時のテーマ曲やファンの声援といった会場の雰囲気が、そのまま試合に流れ込むため有利となる。 なぜ「赤コーナー」が勝つのか? ところが2005年、英ダーラム大学のヒル博士らが、オリンピック大会でのボクシングやレスリングなどの試合を徹底的に調べ上げたところ、やはり、赤サイドの方が青サイドよりも10~20%ほど勝率が高いことを見出した。オリンピックでは赤と青はランダムに割り当てられるし、入場のタイミングも同じである。つまりヒル博士の主張は「赤いウェアやプロテクターを身に着けると、それだけで勝機を呼び込む」ということだ。 同様な現象は、私たち日本人に馴染み深い「柔道」にも見られる。白胴着と青胴着では勝率