都営地下鉄と東京メトロの一元化を改めて考える 先日の都営大江戸線の停電についてマスコミの報道におかしなものが交じっていた。「効率を追求するあまり安全性をおろそかにしている」といった、パターン化された報道が眼に付いた。 2000年に全線開通した都営大江戸線のトンネルは、従来の地下鉄路線よりも口径が小さい。車両も小型化している。これを取りあげて、「過度な混雑を誘発している」とか、「効率を追求するあまり安全性を軽視し、口径を小さくした」という論調の報道があった。これらは、論点がずれているとしか言いようがない。 従来の地下鉄トンネルは直径7.3メートルだ。いっぽう、大江戸線は直径5.3メートル。掘削する断面積で比較すると、一般的な地下鉄は約42平米。大江戸線は約22平米となる計算だ。これだけ違うと工事費が大きく違ってくる。従来の地下鉄のキロメートル単価(1kmつくるのにかかるコスト)は522