博物館や美術館と見まがう外観が人目を引く福島県立会津学鳳(あいづがくほう)中学校・高等学校は、県内初の中高一貫校で、昨年8月に新校舎が完成した。 校舎の設計を手掛けたのは建築家の原広司氏(原広司+アトリエ・ファイ建築研究所)。同氏は「ディスクリート(離散的集合)という概念を基に学校づくりを考えた」と話す。ディスクリートとは「バラバラに離れている個が自由にあらゆる集団を組むことができる」という意味の数学用語だ。会津学鳳中学校・高等学校では、この概念を空間構成のコンセプトに導入し、多様な集団が使える部屋とスペースを用意して様々な出会いが生まれることを狙った。 主な校舎は3棟構成で、みな南北方向に長く延びる。正門のある西側から、管理・体育館棟、中学校棟、高校棟と並ぶ。管理・体育館棟の玄関は、学校らしからぬ巨大なゲート空間で、生徒や来訪者を迎え入れる。 このゲートをくぐり、中に入ると、1階レベルに