日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。そのカウントダウン企画として、過去の記事の中から、人気シリーズ企画「誤算の研究」を毎日掲載していきます。企業戦略の現実は理論書の通りには進みません。戦略の本質は、むしろ誤算の中に隠れています。その後の成長を確実なものにした企業あり、再編の渦に巻き込まれて消滅した企業あり、ケーススタディーの対象は様々です。記事に描かれているのは過去の出来事とはいえ、時代を超えた企業経営の指針が読み取れるはずです。 ピアノ普及率の限界を予測し 進めてきた多角化だが・・・ ヤマハが揺れている。収益力の急速な悪化が経営陣に対する不満を募らせ、「赤字に落ち込めば社長解任だ」との強硬論さえ社内で聞かれ始めた。今年夏に実施した希望退職では予想を上回る724人が辞め、その過程で一部管理職から「ほとんど強制的に解雇された」との内部告発が出るほど、社内はギクシャクしてい