あけましておめでとうございます。 昨年10月20日からスタートした本連載ですが、「ローカリゼーションって、海外市場向けだけでなく、国内や人の関係でも言えることですね」と読者の方からメールを頂くことがあります。そういう声が嬉しいです。 なぜなら、意識の変化を促し、新たな視点を持ってもらうことが、ローカリゼーションについて書く、もう一つの目的としてあるからです。今年もいろいろなアングルからローカリゼーションを語ってみます。そこから何らかのヒントを得ていただければ幸いです。 さて、ここからいつもの調子へ。今回のテーマは、アートです。 西洋美術の文脈を読み込んだ 現代美術家の村上隆の展覧会が、パリ郊外のヴェルサイユ宮殿で昨年9月から3カ月間にわたって開催されたのをご存じだろうか? ヴェルサイユ宮殿には現代美術の展覧会を10年もの間、継続的に毎年開催するというプログラムがある。村上隆は3年目、つまり