携帯電話端末の使用を同じ通信会社に限定する「SIMロック」が、総務省主導で年内にも解除されることが決まった。ICカード1枚あれば自由自在に機種変更が可能になるわけだが、関係者からは「喜ぶのはマニアと泥棒と中国人ぐらい」という声が。大してメリットはないというのだ。 現在の携帯電話には、電池パックの裏側あたりに指先ほどのカードが挿入されている。これがSIMカードで、電話番号や契約内容などが書き込まれている。 海外ではSIMカードを差し替えるだけでどこの会社の端末でも使用可能だが、日本では別の通信会社のものは使用できないようロックがかけられている。その理由について携帯販売店幹部は、「通信会社はかつて販売店に多額の販売奨励金を出し、端末代をタダ同然にして顧客を囲い込み、長い時間をかけて高い基本料や通話料で元を取ってきた。端末と通信費を結びつけているのがSIMロックで、いわば通信会社の生命線」と