今年のはじめ、総合研究大学院大学の『人工物発達研究』に寄稿した「ヨーロッパ文化のロジックを探る」に以下の文章を書きました。 八幡康貞は「人間が人工物を作ったわけだが、その人工物が人間自身の変化を求めている。かつて自然から身を守ることに懸命だった人間は、今、人工物の逆襲におびえている。なぜか、人工物は自己増殖するという傾向があるにもかかわらず、人間はそれを制御するシステムを事前に考えてこなかった。スパムメールもその現象の一つ。鳥は一つの巣をつくった後、二つ目、三つ目をつくらない。人間は何故、二軒目、三件目の家を作ろうとするのか。そこにある人間の心性に迫らないと、人工物を巡るシステム構築はできないだろう」と語る。 この部分がもつ意味を本書をあとがきまで読み、もう一度考えます。下記は監訳者の槌屋詩野さんのあとがきです。 今や、先進国や富裕層の社会には「ウォンツ」が溢れている。テレビをあと10イン