清谷信一(軍事ジャーナリスト) 筆者のような軍事ジャーナリストは防衛省や自衛隊はもちろん、他の省庁、他国の国防関係者や軍人、兵器メーカーなどに取材を行う。広報を通して行う取材も多いが、それ以上に重要なのは個人的なつてを辿っての調査取材だ。 軍事の世界は機密や秘密が多い。当局や他の取材対象が公にしない情報も多い。また当局が隠したがる情報も多い。そのような情報は広報を通さない、このような取材によって得られている。公の立場では公式に発言できないこと、あるいは立場的にはオフィシャルアナウンスメントしかいえないが、個人的にそれと反する本音を話してくれることは少なくない。 例えば筆者がスクープした陸自の無人機が東日本大震災で一度も飛ばなかったとか、同じく陸自の個人用ファースト・エイド・キットが極めて貧しい状態であることなどはそのような取材が元となっている。だから取材源の秘匿が重要である。取材源を明かせ