フランスの製薬大手サノフィは第2四半期(2012年4~6月期)、西欧諸国の緊縮財政と2つのブロックバスター(大型薬)の特許切れにより厳しい状況に直面していた。 しかし、ユーロが米ドルなどの主要通貨に対して「非常に大きな動き」(同社経営陣)を見せたことから、同四半期の売上高は6.2%も増加し、純利益は19億ユーロと、9.6%の減益にとどまった。 為替変動を除くベースでは、売上高の伸び率は0.4%に過ぎず、純利益も17.7%減だった。 「これが通常の為替変動なのか、それともユーロの対ドル相場の構造的かつより長期的な変動なのかについては、しばらく時間が経ってみないと分からない」。サノフィの最高経営責任者(CEO)、クリストファー・ヴィーバッハー氏はこう語る。 これはサノフィだけの話ではない。ユーロ安は、欧州大陸の大手企業の一部で売上高と利益を押し上げている。危機に見舞われた欧州周縁国での需要減少