大和証券は2007年8月、1万台に及ぶシンクライアント端末導入計画の第1弾として東京・大手町の本社で70台を稼働させた。本社における災害時の事業継続やセキュリティの向上を目指し、検討を始めてから2年強。実績が少ないシンクライアント端末への改善要望を製造元のNECにぶつけ、パソコンとそん色ない操作レベルに引き上げた。 「パソコンなのか、シンクライアントなのか見分けがつかない。もう予備機は必要ないな」。リテール部門である大和証券の鈴木孝一業務・システム担当取締役は自席に残してあったパソコンの電源を落とした。前日に配備されたシンクライアントにすべての業務を切り替えた。 大和証券グループは07年7月に、持ち株会社とリテール部門で使用しているパソコン1万台をシンクライアントに置き換えることを決めた。同社は11月に本社・本店を東京・丸の内に移転する計画。シンクライアント・システムはデータをデータセンタ