9月24日に90歳の誕生日を迎えた作家・筒井康隆氏。これまで「不良老人」として人生論を披露してきた筒井氏に卒寿の心境を尋ねるインタビューを申し込むと、予想外の返答があった。今春、神戸市の自宅で転倒したことをきっかけに、夫婦で老人ホームに入居したというのだ。現在の施設暮らしについて、筒井氏が本誌・週刊ポストの取材に初めて語った──。 インタビューを行った老人ホームの一室に、筒井氏は車椅子に乗って現れた。そして「ひどい目に遭いましたよ」と語り始めると、今年4月初旬に自宅で転倒し、頸椎を負傷したことを明かしてくれた。麻痺で身体が思うように動かず、入院して1か月以内のことは「思い出したくもないです」とも語った。 そんな入院生活の転機となったのが、4月末にリハビリ病院に移ったことだったという。午前と午後に1~2回ずつのリハビリをこなした筒井氏は「長生きのプラスになるならと随分頑張りました。健康寿命が