理化学研究所(理研)開拓研究本部眞貝細胞記憶研究室の成耆鉉協力研究員、石井俊輔研究員らの共同研究グループは、モデル生物ショウジョウバエを用いて、父親への精神ストレスが生殖細胞でエピゲノム[1]変化を誘導し、それが精子を介して子供に伝わり、子供での遺伝子発現と代謝の変化を誘導することを明らかにしました。 本研究成果は、「親の環境要因が子供の成人病などの疾患発症に影響する」という胎児プログラミング仮説[2]のメカニズムを明らかにするもので、生活習慣病などの発症予防に貢献すると期待できます。 今回、共同研究グループは、父親ショウジョウバエに強い精神ストレスの一つである拘束ストレスを与えると、子供の解糖系[3]などの代謝系遺伝子の発現が変化すること、転写因子[4]dATF-2[5]変異体の父親ショウジョウバエを用いると、発現変化が起きないことを見いだしました。拘束ストレスにより、父親の体細胞組織で
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