――武田さんは2007年からIBM Watson(以下、Watson)のお仕事をされているとお聞きしました。これまでどのように関わってこられたのでしょうか。 武田 2011年がIBMコーポレーションの100周年を迎える年で、その辺りのタイミングでこれまでの技術ではできそうにない目標に挑戦しようというのが基礎研究所での1つのテーマでした。「グランドチャレンジ」と呼んでいたのですが、それがクイズ番組に挑戦するシステムの企画でした。後にこのシステムがWatsonと命名されたのです。そこで、世界中の主に自然言語を処理する技術を持った研究者を参集させて、IBM基礎研究所の総力をあげて取り組むということになりました。日本は、機械翻訳もやっていましたし、テキストを分析する技術、テキストマイニングの分野で先行していたので、「是非日本からも」とアメリカのチームから声がかかりまして、2007年12月から正式に