同じ宿に泊まっている日本人の写真学生が、先日の夕方、見事に沈み込んだ表情で宿に戻ってきた。どうしたのかと聞くと、彼は 「やられました・・・」 とつぶやいた。エルサレムに近いパレスチナ難民キャンプに撮影に出かけていて、地元の人間にカメラと現金を奪われたとのこと。 指先でつついたら後ろに倒れそうなほどに、身体から力と気力が抜けた様子だった。彼は、「心がなえた」と何度もつぶやいた。私にも同じような経験があるので、その気持ちはとてもよく分かる気がするが、海外に長くいれば、まあ一度くらいは誰しも経験することだろう。ちなみに彼はパレスチナは今回が3度目とのこと。 人気のない通りで、二人組の若者に襲われ、首投げされた上に押さえつけられ、顔をぶん殴られたのだそうだ。旅行者が刃物で脅された、というのはエルサレムあたりではたまーに聞くが、そりゃ珍しい。 パレスチナ人は、めったに人を殴らない。 怒涛の口論はしょ