【ウィーン=玉川透】大相撲の大関・琴欧洲関を生んだブルガリア相撲連盟の現会長が、マフィアから金で殺人を請け負う暗殺集団を組織していた疑いで捜査当局に逮捕され、一大スキャンダルになっている。同国でも日本の角界の野球賭博事件が注目されるなか、相撲ファンの多い国民はさらに衝撃を受けている。 地元メディアの報道によると、先月23日、組織の中心人物の一人として逮捕されたペタル・ストヤノフ氏(34)は、世界選手権で何度もメダルを獲得した同国アマチュア相撲界の「ドン」と呼ばれる存在で、昨年11月に連盟の会長に就任。政界にも顔がきき、同国相撲チームのコーチも務める。連盟の名誉会員である琴欧洲とは旧知の間柄で、今年2月に結婚した際には立会人を頼まれたという。 当局の調べによると、ストヤノフ氏らは6月下旬、同国のサッカークラブの会長を銃撃して殺害するなど少なくとも10件の殺人事件に関与した疑いがもたれてい