『慙紅葉汗顔見勢』(はじもみじあせのかおみせ)というのが正式名称らしい。今回の海老蔵の口上によれば、主役の役者が顔を真っ赤にして奮闘するさまを題にしているとのこと。四世鶴屋南北作で、それ以来上演はなかった。それを164年ぶりの昭和54年に猿翁(当時猿之助)が復活させたのだが、その経緯を猿翁自身が筋書で説明している。初演は文化12年(1815)で、七代目團十郎が主要人物十人を早替わりで演じ、大評判をとったという。文化・文政時代はいわずとしれた江戸町人文化の爛熟期。そこに咲いた徒花がまさに南北作品といえる。ただ、南北の台本は残っていず、そのときの役者評判記と絵番附をもとに、猿翁が奈河彰輔と共同で脚本にしたので、創作といってもよいとのことだった。昭和54年の初演以来、澤瀉屋の「復活通し狂言十八番」となったという。海老蔵自身がこの狂言を強く臨んで、実現したのが2010年1月で、今度のが2回目という
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