漢文と新港語が併記された文書(1784年) 新港文書(しんこうぶんしょ)とは別称を「新港文」とも言い、現在の台湾台南一帯の平埔族の間で伝わる土地売買及び租借に冠する契約文書である。民間では「番仔契」とも称されている。この文書で使用されている言語はローマ字で表記されたシラヤ語(新港語)であり、漢文とローマ字が対訳として記載されているものも存在している。現存している「新港文書」は約140種であり、平埔族の文化や当時の生活を知る上で貴重な資料となっているが、現在死語と化した新港語であるため、「新港文書」を解読できる研究者が非常に少ないという問題が発生している。 オランダ語と新港語(右)が併記された聖書(1650年ごろ) 新港語は現在の台南一体に居住していた原住民であるシラヤ族が使用していた言語である。オランダ東インド会社が台湾を統治していた1624年から1662年にかけて、台湾にやってきた宣教師