三沢市の青森県立三沢航空科学館で1日から始まった旧陸軍機の一般公開。機体の腐食やさびが、十和田湖での墜落から69年の歳月をしのばせた。貴重な航空遺産を前に、引き揚げに携わった関係者や戦時中を知るお年寄りは、つらく苦しい思いをした時代を振り返りながら、今ある平和の尊さをかみしめた。 「戦争の本当の悲惨さや怖さは身近なところにある。それを感じてもらえれば」。2010年の十和田湖底調査の際に機体を確認、その後も引き揚げ作業を担った静岡県の海洋探査会社、ウインディーネットワークの杉本憲一社長(65)は、会場でしみじみと語った。 杉本社長によると、機体は北海道・帯広が本部の第38戦隊所属。戦況悪化の中、東北沿岸の偵察などを任務とした。少年兵4人が搭乗、荷物は積んでおらず「定期的な訓練飛行ではなかったか」と推察する。 4人は中部地方や西日本の出身で、うち3人は墜落後、行方不明になったままだ。年若