兵庫・淡路島から大阪湾を見下ろすように立つ巨大な「観音像」が、所有者不在のまま荒れ果てた状態で約8年半にわたって放置されている。8月の台風11号で外壁の一部が崩落し、倒壊の危険性も指摘されるが、地元の淡路市も債権者への配慮などから積極的に手が出せない状態。買い取りを申し出る人もいたが、荒廃した内部を見てあきらめたという。「迷惑観音」との声まで上がる巨大仏像を巡る問題は法的な権利も複雑に絡み、解決策が見えてこない。(藤崎真生) 元々は観光施設 この仏像施設の正式名称は「世界平和大観音像」。コンクリート製で、高さは5階建ての台座部分(約20メートル)を含めると、大阪の通天閣に匹敵する約100メートル。国道28号沿いにそびえ立ち、周辺には関連施設として山門や高さ約40メートルの「十重の塔」などが建つ。 淡路市などによると、淡路島出身で大阪市内で不動産会社を経営していた男性が昭和57年夏に観光施設