シュテムターン(※1)ができるようになったスキーヤーはあらゆる斜面をどんどん滑りながら上達していく。ターンの時にスキーを開く幅がだんだん狭くなり「パラレルターンもまもなくできそうだ」と思われる。 だが、しかし、多くのスキーヤーはここで巨大な壁にぶち当たるのだ。それは、ほんの少しなのだがターンの時にスキーの後ろを開くというシュテムターンの操作がいつまで経っても消えないのである。どうしても、あの美しいパラレルターンにならないのだ。しかも、斜面が急になればなるほど、スキーの後ろを開く幅は大きくなってしまう。 全日本スキー連盟では、プルークボーゲンから少しずつ開き幅を狭めてパラレルターンに到ると指導しているが、それができるくらいなら誰も苦労しないのである。ここに存在する最大の問題点は、シュテムターン(あるいはプルークボーゲン)とパラレルターンの操作上の決定的な違いを正確に理解していない事にある。